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管理職・経営者におススメする今週の1冊「なぜ、おばちゃん社長は価値ゼロの会社を100億円で売却できたのか」第1回目

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中小企業診断士・なべケンの管理職・経営者におススメする今週の1冊

「なぜ、おばちゃん社長は価値ゼロの会社を100億円で売却できたのか 父が廃業した会社を引き継ぎ、受注ゼロからの奇跡の大逆転」第1回目

著者 平美都江 ダイヤモンド社

 

今回からは、石川県羽咋市の中小企業の経営者の著書をご紹介します。本書は、廃業を主張する父から著者である平美都江氏(以下「平社長」という)が会社を引き継ぎ、どのように成長させたかが書かれています。仕事がない状態から企業価値を高め、100億円で売却した中での経営の重要ポイントを書いた本です。

皆さんは、現在、年間の廃業数が5万件近く発生していることはご存知でしょうか。日本の中小企業は全部で約350万件と言われていますので、相当な数が廃業しています。その多くは、後継者不足が原因です。ちなみに倒産件数は年間8千件程度です。10年ぐらい前から、中小企業の事業承継をなんとか推進しないといけないと、政府もさまざまな支援策を打ち出していますが、廃業件数は増える一方です。著者は、自身の事業承継も考え、中長期的に準備をしてきたと書いています。本書は、中小企業の日々の経営面だけではなく、事業承継についても参考になる部分が多く述べられています。それでは、第一回目の今回は経営面について、内容を見ていきたいと思います。

 

現金残高が重要

平社長は、利益よりも現金残高の重要性を述べています。私自身も、事業再生の支援を15年近く続けてきていますが、企業が存続する、つまり倒産しないためには、現金があることが大事です。赤字でもキャッシュがあれば企業は存続できます。それを生み出すためにお金を使う(投資する)ことを念頭に置いて経営していれば、事業は上手くいくと私は思います。

平社長は、事業を引き継いだ時にまず、土地建物等を売却した資金で遊休地に太陽光パネルを9億円投資して設置したそうです。結果、今でも毎年3億円の収入があるということです。ちなみに、平社長は、本気で税理士を目指すほど過去に勉強したようです。そのような経歴があるからこそ、平社長は会計の仕組みやキャッシュの重要性を理解しているのだと思います。しかし私は、経営者は全て、会計やキャッシュフローへの一定の理解が必要だと思います。企業を成長させるのが経営者の役目ですが、それ以前に最低限存続させることが最も重要です。そのためにも、利益とキャッシュフローの関係を深く理解しておくことが大切です。

私はこう考えています。企業は、本業で利益やキャッシュを生み出し、その資金を将来への投資にまわすことで、成長と効率化を図るべきであると。成長のために、新たな商品・サービスを開発したり、新たな市場を見つけるための投資を行います。また、効率化のために、生産性が向上するような機械設備等を導入します。平社長は、この重要性を本書で述べています。特に効率化に関しては、次の4つの視点で改善を図ってきたそうです。

  • 省エネ・省人化
  • スピードアップ
  • 従業員の安全性・快適性アップ
  • まさかに備える

 

それぞれについて、設備投資や現場改善、従業員への周知・教育などを行ってきたということです。このように継続的にキャッシュが生まれるサイクルを作り出したからこそ、100億円という価値がついたのだと思います。一見、簡単なことのように思えますが、この仕組みを徹底して作れている中小企業は比較的少ないと感じます。特に経営者がそのような意識を持ち続けなければならないと思います。そのためには、利益とキャッシュフローの関係を理解することが重要なのです。

 

穴が開くほど帳簿を見る

平社長は、利益を出したいなら、穴が開くほど自社の帳簿を見るべきだと言います。実際に、100回以上、総勘定元帳を見たそうです。総勘定元帳は、日常の取引一つ一つの帳簿のことです。これを100回見るというのは、相当な労力と時間を使っているはずです。また、著者は、ライバル会社の信用調査表ともよく比較したそうです。これには、私も、非常に共感します。数字は過去の活動の結果です。良いことも悪いことも必ずそのヒントが隠れています。帳簿をあまり見ていなかったり、経理や資金繰りを全て任せっきりにしていたりする経営者がよくいますが、これは大間違いです。経営者こそ、帳簿を暗記するぐらいまで見るべきなのです。これはお金への執着心にも繋がります。執着心があれば帳簿を必ず気にします。もしくは帳簿を見るようになれば、最初はなくても執着心が生まれます。お金への執着は、利益やキャッシュへの執着と同じです。帳簿を穴が開くほど見て、改善のヒントや課題を見つけ、解決していくことが、経営者には大事です。

 

寄付がモチベーション

著者は、寄付が仕事へのモチベーションになっていると言っています。特に東日本大震災関連の寄付には、10年間で1億円以上の寄付をしているそうです。業績を回復させ、最終的に100億円で会社を売却したことの原動力はこの寄付にあったと述べています。著名な経営者や投資家などは必ず、恵まれない環境にある人たちのために寄付をしたり、財団を設立したりしています。ビルゲイツなどもそうですよね。また、プロ野球選手が、ホームランを一本打つ度に、一定の金額を寄付するというような話もよく耳にします。実は、私自身も毎月、いくつかのN P O法人に少額ながら寄付しています。これは、間違いなく、私の仕事へのモチベーションにもつながっています。人間は、自分のためだけにと思うと、頑張りきれないし、努力が続かないものです。そのような場合、困難があると、自分はそこまで望んでいないと勝手に逃げ道を作るからです。タバコやお酒が好きな人がなかなかやめられないのと同じです。一方で、社会のためとか、家族のためと思うと、力が湧いてくることも多いのではないでしょうか。特に、著名人は社会を変えたいとか、社会に大きく貢献したいと思っているからこそ、大きな成功を納めたのだと思います。その思いを一層強くするのは、普段の何気ない寄付だったりします。そういう思いで、私も毎月寄付をしています。本書を読んで、人間はやはり考えること、思うことは同じだと感じました。

 

以上、今回は、経営面について見てきましたが、本書を読んで意外なことはあまりなく、当たり前のことが書いてあるように思えました。しかし、世の中は、当たり前と思えることを愚直に行動できている人がいかに少ないかと思います。それが一番難しいのかもしれません。そのような点でも、平社長の愚直な行動力と判断力を大いに感じられる一冊だと思います。次回は、平社長の心構えや行動習慣、事業承継などについてみていきたいと思います。

 

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