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管理職・経営者におススメする今週の1冊 「ワークマン式「しない経営」第2回目

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中小企業診断士・なべケンの管理職・経営者におススメする今週の1冊

「ワークマン式「しない経営」」第2回目

著者 土屋 哲雄 ダイヤモンド社

 

今回も、前回に引き続き、「ワークマン式しない経営」についてお伝えします。前回は、新たな市場への参入(ワークマンプラス)という事業戦略的な面を見てきましたが、今回は内部体制・組織面を見ていきたいと思います。

皆さんは、この20年ぐらいの間に労働環境が大きく変わってきたと感じたことはないでしょうか。私は、非常によく感じます。私が大学を卒業し就職したのが1998年ですが、その頃から比べると非常に大きく変化しています。当時は、ブラック企業という言葉もありませんでした。残業代なしの仕事や休日出勤など当たり前の時代でした。私も、会社員を約10年間続けましたが、残業代を支給されたことは一度もありません。20代の時は、月の休みが2日程度で働いていました。しかし、今は残業代や休日手当を適切に払わなければ、従業員から訴えられたり、SNS等で悪評を拡散されます。働き方改革関連法により、有給休暇取得や残業時間の上限を守らなければ、国から罰せられたりもします。いかに働きやすい環境を作りつつ、業績を向上させるかが求められているのです。本書では、そのような観点からも参考になる部分が多々あります。それでは見ていきましょう。

 

従業員のストレスになることはしない

ワークマン社では、やり抜くことを大事にしているそうですが、決してトップダウンでそれを推進してはいけないと言っています。社員のストレスになるようなやり方ではなく、頑張らなくてもできるような仕組みを作ることが大事だと述べています。少数の人間が頑張ってできることは、組織全体への再現性が低いからです。そして、ワークマンでは、従業員が気分良く、モチベーション高く働けるように、次のようなことを行なっているそうです。

  • 従業員の夢を共有する
  • 興味やワクワク感を大事にする
  • 社員の給与100万円アップを約束
  • 得意分野の仕事をやってもらう、または得意分野を作らせる
  • 長所をほめて自信を持たせる

この内容に、私も非常に驚きました。私自身も従業員を抱えていますが、やはり、組織は人に行きつきます。従業員が、モチベーションを高く持ち、働くことが業績につながると思います。しかし、言うは易し、行うは難しです。会社の目標や理念を従業員と共有する企業はあれど、従業員個人個人の夢を共有してくれる会社は非常に少ないでしょう。また、社員の給与を一人あたり100万円アップすることを公言する企業など、ほとんどないと思います。一人の人間にとって、モチベーションの要因は一つではありません。複数の要因で成り立っています。仕事を通じた個人的な夢の実現や興味・関心のある分野で仕事ができること、組織から承認され必要だと思われることなど、さまざまありますが、その中でも金銭・報酬面は、重要な要素です。いくら綺麗事を言っても、お金は大事です。平均年収が仮に500万円だとしたら2割アップを公言しているわけです。これはすごいことです。

そして、私自身も最近よく感じることがあります。できる限り従業員個々人が得意分野とする仕事をやってもらうことが、業績アップには一番良いということです。逆に不得意なことや嫌いなことをやってもらうと、成果がでないだけではなく、退職にも繋がりやすいということを私自身も経験しました。だからこそ、経営者は、儲ける仕組み(ビジネスモデル)と従業員が成長できる環境を作ることが非常に重要なのです。組織には様々な部署や業務があります。個々人のやりたいことや得意分野を優先すると人が足りなくなります。従って、儲ける仕組みを作って、足りない分野を採用で賄えるように利益を蓄積する必要があるのです。同時に、採用だけではなく、従業員の得意分野を教育・研修などで増やし、業務を遂行できるような組織を作ることも必要なのです。ワークマン社では、その二つとも実現ができているという点が素晴らしいと感じました。

 

エクセルでDX

最近は、D X(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞かない日はないぐらいです。しかし、言葉が一人歩きして、本質は何なのかが理解できていない企業や経営者も多いのではないでしょうか。D Xとは、進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるということです。難しいIT技術を使わなくても可能です。中小企業でも、専用のI Tシステムを構築したが、使い勝手が悪く、活用仕切れていないというケースがよくあります。

その点、ワークマン社はエクセルを徹底活用することで、D Xを実現している好事例だと思います。同社は、エクセル研修を経営トップ自らが参加し、従業員も全員参加させるようにしているそうです。また、昇進や評価のポイントにもエクセル研修の結果を反映させているということです。エクセルで徹底的にデータ分析を行い、それを店舗の品揃えや在庫管理に徹底的に活用しています。このエクセル活用が業績アップを支えています。そして、このエクセル活用にも、従業員がモチベーションアップする仕組みを構築しています。一つは、エクセル研修の試験等は、90点以上取れるようにやさしくし、自信をつけさせること、二つ目は、データ活用による店舗での仮説検証(実験)を行うことに対し、失敗を心から歓迎する風土を作っていることです。

私の会社も、流行りに乗って、昨年R P A(ロボティックプロセスアートメーション)というシステムを販売し、社内業務の効率化を支援していました。導入先は士業の事務所や中小企業がほとんどだったのですが、結局活用できないまま終わるケースがほとんどでした。理由は、さまざまですが、一番重大な原因は、導入先が活用を外部に任せきりだったからです。ITはあくまで手段です。それを使うのは人間であり、上手く活用できるようにするためには教育・研修をしっかりと行わなければなりません。この点が抜けている事例は非常に多いのではないかと思います。ワークマン社は、誰でも馴染みのある、かつ、使いこなせば非常に幅広く活用できるエクセルという手段を、トップから末端に至るまで、長い時間をかけて徹底的に学んでいったのです。やはりここでも言えることは、組織は人であり、個々人の能力を時代に合わせて高めていく仕組みを作ることが非常に重要だということです。

以上、2回にわたって、ワークマン社の成功事例を見てきました。本書は、大きく二つの点で、非常に参考になる部分がありました。一つは、自社の強みや競合とのポジショニング、事業戦略を徹底的に考えることで、大きな設備投資をすることなく新規事業を生み出したこと、二つ目は、従業員のモチベーションを高め、かつ時代に合った教育の仕組みを構築することで競争優位のある組織を作ってきたことです。本書で書かれていることは、大企業特有のものではなく、どんな企業でも当てはまるのではないでしょうか。私自身も繰り返し読みたいと思う内容でした。皆さんも是非、読んでみてはいかがでしょうか。

 

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