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管理職・経営者におススメする今週の1冊 「ワークマン式「しない経営」」第1回目

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中小企業診断士・なべケンの管理職・経営者におススメする今週の1冊

「ワークマン式「しない経営」」第1回目

著者 土屋 哲雄 ダイヤモンド社

 

今回は、あの有名なワークマンの専務である土屋氏の著作をご紹介します。著者は、三井物産で、さまざまな事業を立ち上げるなどの活躍を経て、ワークマンに入社しました。叔父である会長の土屋嘉雄から、「何もしなくてもいいから」と言われ、ワークマンの専務に就いたそうです。同社で、ワークマンプラスの立ち上げを行い、再度成長軌道に載せてきたその経営手法を紹介した本です。

皆さんは、本書の題名を見たときにどのように感じましたか?私は、日経新聞の広告で題名を見た瞬間に買ってしまいました。それほど、この題名は魅力的でした。なぜなら、普段から経営の中で重要なことははやらないことを決めることだと、私自身が感じているからです。ビジネスだけでなく、世の中の物事はすべて時間との戦いです。時間が限られているからこそ、しないことを決めることが重要なのです。しないことと、見落とすことは全く違います。しないということは、全ての選択肢を網羅的に検討した上で、優先順位をつけたうえで、不必要なことはしないという勇気を持つことです。この勇気というのが重要です。人間は、あれもこれも欲しがるのが普通です。私も中小企業の経営支援を長く行なってきていますが、いかにつぎはぎ的な意思決定をしている経営者が多いことかと感じます。例えば、「最近従業員のモチベーションが下がってきたから賞与制度を見直そう」とか、「商品が売れなくなってきたから、顧客ターゲットを変えよう」とか、何か上手く行かないことがあったときに、何かとりあえず手を打っておこうというのがつぎはぎ経営です。特に中小企業においては、いかにこのような経営をしている会社が多いことかと感じます。何か手を打つこと自体は悪いことではないのですが、物事が上手く進まなくなってきてから、何かを検討するのでは遅いのです。このような考え方は、積み上げ思考であり、本当に重要なことが抜け落ちる可能性が高いです。そうではなく、将来のあるべき姿に向けて、全体像を網羅して考え、組み立てを検討し、やるべきこととやらなくて良いことの優先順位をつけるのが、本来の経営です。一言でいうと、ゴール思考で物事を考えるということです。本書では、著者が、ワークマンの将来の先行きに不安を覚え、戦略的思考で事業ドメインの再定義、つまり誰に何をどのような価値を提供するかを検討した過程が紹介されています。全体像を捉え、何をやるべきで、何をやらないべきかを整理し実行したことが当社の成長に繋がったのだと思います。それでは、具体的に内容を見ていきたいと思います。

 

ブルーオーシャン市場を発見する

本書では、作業服のワークマンから、カジュアル衣料であるワークマンプラスという新たな市場へ展開していった経緯と考え方を述べています。既存のビジネスだけでは成長が見込めない、かつ、大手資本が参入してきたら、競争に負けてしまうという危機感から、生まれたものですが、実は商品自体は大きく変わってないのがポイントです。当社は、自社の強みである低価格な高機能作業服自体を、ブルーオーシャン市場である、低価格・機能性志向(アウトドアウェア)の市場へと投入したことで成長を実現しました。それがワークマンプラスです。このために、専務である著者は、市場細分化とポジショニングを徹底的に繰り返したと言っています。誰が、どのような価値に対してお金を払ってくれるのかを確認することを繰り返したということです。ここで著者が述べていることは、経営戦略立案の基本、教科書的なものばかりです。例えば、

  • 自社の強みを確認する
  • 市場を細分化する
  • 大手のいる競争市場は避ける
  • ポジショニングを何度も見直す
  • 小規模にテスト参入する

といったことです。

愚直なまでにこの基本を何度も検討し直した問いうことですが、その行動に大きな意味があると、私は思います。私は、中小企業の経営者の一番重要な仕事は、儲かる仕組みを作ることだと思っています。つまり、従業員が大変な思いをしなくても、利益を生み出せるビジネスモデルを作り出すことです。その中でも特に、儲かる市場を見つけることは、経営者にしかできない仕事だと思います。市場を細分化するとか、顧客ニーズを捉えるとか、競合相手を特定し競争のやり方を考えるなどは、ある程度経営学や戦略論を学んでいないとできません。だからこそ、役割分担として、経営者はそれを愚直に考え抜くことが求められるのです。中小企業の経営者には、この重要さを理解している人が少ないと、私は感じます。自社が利益を出せないのは、従業員のせいではなく、経営者が儲かる市場を捉えきれていないからなのです。本書は、それを再認識させてくれます。

 

異常値に注意する

本書では、異常値が強みを教えてくれると言っています。当社は、異常に売れている商品を分析した結果、新たな市場を発見できたそうです。建設作業者用の防水防寒ウェアが一般のバイクユーザーに売れていたり、厨房で働く人向けの滑りにくい靴が妊婦に売れていたりしたということです。このような分析結果が、作業服という思い込みを捨てることに繋がり、高機能ウェアという新たなカテゴリーや市場を見つけることができたのです。

ドラッカーも著書の中で、成功事例や失敗事例の分析がイノベーションのヒントになると言っています。ドラッカーのいうイノベーションとは、新市場の開拓も含まれています。

そして、当社は、その異常値に着目し、消費者になりきって考えることを徹底したと言っています。顧客の購買行動の全体像と詳細を把握したということです。言うのは簡単ですが、非常に難しいことです。これができていれば、約半分以上が赤字と言われる中小企業の多くは黒字転換するでしょう。最近、事業再構築補助金という制度が、始まりました。これは、コロナ禍で業績が悪化した企業に対し、製品・サービスの内容やターゲット市場を大きく見直す際の投資金額を補助するというものです。このような考え方をしないと、コロナ後の新たな世界で勝ち残っていけないという政府の危機感のあらわれでもあると思います。私も、申請をする中小企業の支援をしていますが、この考え方に馴染みがない経営者が多いことが非常によくわかります。今までは、そのような考え方をしなくても、既存の事業でなんとかなったのでしょう。しかし、アフターコロナも含めて、今後は、時代の変化もさらに早くなります。こういった思考を中小企業の経営者はより日常的にしていくことが重要です。事業再構築を検討している経営者には、非常に参考になる本だと思います。

 

 

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