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管理職・経営者におススメする今週の1冊 「GRIT やり抜く力」第3回目

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管理職・経営者におススメする今週の1冊は、「GRIT やり抜く力」第3回目です。

今回も、「GRIT やり抜く力」について、ご紹介していきます。前回は、「やり抜く力」を内側から伸ばす方法についてみていきました。そして、今回は、外側から伸ばす方法についてお伝えしていきます。

厳しく育てる?優しく育てる?

さて、皆様は、やり抜く力を外側から伸ばすと聞いて、次のどちらかのイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?

①スパルタ的に厳しい課題を与え、教育を行う

②愛情を持って、自主性を与え、本人の興味や意欲に任せる

この二つは見てお分かりのとおり、両極端な考え方です。本書では、著名なフットボール選手とコメディアンの二人の幼少期の育てられ方がインタビュー事例として挙げています。そして著者は、この事例を通して、やり抜く力を伸ばすのは、この二つの考え方の両方が必要だと述べています。つまり、温かくも厳しく、子供の自主性を尊重する育て方だということです。

フットボール選手のケースでは、両親は非常に厳しく、始めたことは最後まで徹底的にやり抜くよう教え込まれたそうです。しかし、厳しいだけではなく、いつも全力で応戦する姿勢や、子供に対しての無私無欲の愛情を注いでくれたということです。

一方で、コメディアンのケースでは、両親は愛情深くどっしりと構え、自分のやりたいようにやらせてくれたそうです。両親は、子供一人一人に合った環境を与え、成長を促し、その子のニーズに応えてあげることが大事だと言っています。と同時に、物事の良し悪しをはっきりと伝え、本人にとって必要なことは無理にでもやらせたようです。

これは組織における人材育成にも活用できると思います。部下のやり抜く力を育て、組織を強くするには、責任と権限のバランスが重要だと思います。つまり、ある一定の権限を与え、本人のやりたいようにやらせつつも、明確に責任を持たせ、良し悪しをはっきりさせることです。組織では責任と権限は両立させなければなりません。権限があるということは、責任も伴います。逆に権限がなければ責任もないということです。私の経験からも、部下は、一定の権限がないと育ちません。人間は、自分の能力より少し高い目標にチャレンジすることで成長すると私は考えています。ただし、権限を与えても、きちんとコントロールしなければ間違った方向に向かってしまいます。まさに、本書でいうところの温かくも厳しい対応をするということが大事だと言えます。

課外活動を長く続けた人はやり抜く力が強い

著者によると、さまざまな研究で、課外活動を積極的に行なっている子供の方が、そうでない子供よりも学校の成績が良く、自尊心が高いなど、優れている点が多いということが示されているそうです。さらには課外活動を1年以上続けた生徒は大学の卒業率が高く、2年以上続けた生徒に限って、1週間あたりの課外活動時間が多かった生徒ほど、就業率も高く収入も高いことがわかっているそうです。そして、大事なことはどんな活動に打ち込んだかは問題ではなく、内容は何でも良いということです。重要なことは、やろうと決めたことを続け、その過程で何らかの進歩を遂げることです。そうすることによって、自尊心が高まり、良いスパイラルが生まれるのだと述べています。マイクロソフトも、ビルゲイツ氏が直接的に採用に関わっていた時は、選考試験の課題として、単調なトラブルシューティングにひたすら何時間も取り組むものを出題し、その結果を採用の合否にしたということです。

企業の採用において、これは一つのヒントになると思います。今でこそ顕著ではなくなりましたが、大企業が有名大学の学生を青田買いするのも、こういう論理があるのだと思います。偏差値の高い学生は、勉強という点でやり抜く力があると考えられます。また、体育会系学生が就職に有利だったのも、やり抜く力のある人間を採用したいという考えがあったのでしょう。しかし、スポーツだけでなく、やり抜く力があるかどうかに、課外活動の種類は問わないということです。従って、採用時において、学生時代に何にどのくらい深く、継続して取り組んだかを問うようにすれば、やり抜く力のある従業員の採用につながるのではないかと思います。ただし、それが本当に事実か、本音では辞めたかったけれども仕方がなく継続していたのかなど、実態を把握するような採用手法が求められると思います。採用側の質問力も重要ですし、目に見える成果物の検証、SNSでの発信内容による評価など、本当の事実を捉える必要があると思います。経営者や管理職、採用担当の方は、是非、このやり抜く力が強いかどうか、採用や人事評価などで確かめてみてはいかがでしょうか。

やり抜く力の強い集団の一員になる

著者は、自分のやり抜く力を強化したいなら、やり抜く力の強い文化を持った組織の一員となることが良いと言っています。また、自分がリーダーで、メンバーのやり抜く力を強化したいなら、やり抜く力の強い文化を作り出すことが大事だと述べています。文化には、長期的に私たちのアイデンティティを形成する力があると言うことです。長期的に条件が揃えば、自分が所属する集団の規範や価値観は、やがて自分自身の規範や価値観となるのです。やり抜く力は、損得勘定から生まれず、自分はこう言う人間だと言うアイデンティティに起因するのです。企業や組織の文化というものは、人間形成に非常に影響を及ぼすと、私も思います。私は、仕事柄、さまざまな企業の出身者にお会いしますが、その印象や性格、行動などは、出身企業の影響を大きく受けていると感じます。例えば、リクルート出身の方は、起業家的資質の方が多いですし、銀行出身の方は、堅実でかつ多面的に分析重んじる方が多いような気がします。強い組織を作りたい経営者や管理職の皆さんは、やり抜く力の強い文化を作り、それを浸透させていくことが大事です。それには、リーダー自身が目標に対し、どれくらいの情熱と粘り強さを持って取り組んでいるかを示す必要があります。従業員も子供もリーダーの背中を見て育ちます。そして、それを共有し、コミュニケーションを頻繁に重ねることで、文化が醸成されていきます。

以上、三回にわたって、やり抜く力についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。最後にもう一度お伝えしたいのは、やり抜く力は、持って生まれた能力ではなく、伸ばせるということです。そして、やり抜く力の強い人は、精神的にも健康な生活を送っているということが本書には書かれています。これには、私自身、非常に共感をします。周りの人たちを見ていると継続的に努力をしていると感じる方々は、苦しそうではありません。むしろ楽しそうです。そして、間違いなく成長しているのが見て取れます。おそらく、努力を継続していれば、小さな成功体験が生まれ、それが達成感に繋がり、さらに頑張ろうという好循環が生まれているのだと思います。読者の皆様も、小さなことからでも良いので、明日から何か一つ行動を変えてみてはいかがでしょうか。私自身もそう感じた一冊です。