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管理職・経営者におススメする今週の1冊 「話し方入門」

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話し方入門 3回目

管理職・経営者におススメする今週の1冊は、「話し方入門」です。

今回ご紹介するのは、あの有名なデール・カーネギーの著書である「話し方入門」です。皆さんも良くご存知かと思いますが、歴史的ベストセラーである『人を動かす』『道は開ける』の著者です。彼の輝かしいキャリアは、話し方教室の講師をつとめたことからはじまります。本書は、その活動から生まれた独自のスピーチ術について、まとめられています。話す前の心構えから、テーマの選び方、準備、始め方、終わり方まで、人の心をつかみ、自信を持って人前で話すためのノウハウが体系化されています。

本書は大きく分けて、スピーチの前段階である準備についてと、実際に現場で行う実践についての二つのポイントから構成されています。内容も多面的で深いので、三回にわたってお伝えしたいと思います。

今回は、準備についての重要ポイントについて見ていきます。

本書の準備の内容は、次のようなポイントで構成されています。

  • 勇気と自信を持ち、自信を持つためには周到な準備が重要なこと
  • 準備を徹底的に行うためにはどのように考え、行動すれば良いか

カーネギーは、上手く話せないという悩みは、誰でもあり、名高い雄弁家でさえ、皆、最初はそうだったと説いています。そして、スピーチ能力を向上させるためには、その目的や意味を考え、強い願望を持つべきであるということです。さらに、自信満々に振る舞うことの重要性を述べています。自信を持つために、話す内容について準備をしっかり行い、練習を積むことが大事だと言っています。私も、研修講師や講演など、人前で話す機会が多いのですが、最初の頃は、嫌で仕方がありませんでした。今では、経験も多くさせて頂いたおかげで話をすることは楽しいですが、当時は足が震えたりもしました。私の場合は、話す内容についての構成や、資料の準備はしっかりと行うのですが、話す練習は全くしていませんでした。いつも最初に言葉に出すのは、本番でした。それが良くなかったのだと思います。ところで、私は最近、落語を習っていますが、習い始めてから練習の重要性に気づいたことがあります。十五分ぐらいの演目を三ヶ月間、徹底的に口に出して練習をし、実際に、寄席で披露するのですが、この時は、全く緊張しなかったのです。初めて、人前で落語を披露するというのに、緊張よりもむしろ、早く披露したいと胸が高まり、高揚感を感じました。楽しみで仕方なかったのです。練習をすることの重要性を身に染みて感じました。

具体的な準備の方法とは?

それでは、準備とはどのように行うのでしょうか?

カーネギーは、頭にも心にも訴える本物のメッセージ(話さずにいられないもの)がある時、スピーチは成功したも同然だと言っています。自分自身の思想をかき集めて組み立て、考えを練り、思いや信念を大切に育てることが重要だということです。テーマについて、考え続け、人と会えば話題にし、あらゆる質問を自分に投げかけることで本物のメッセージは生まれるものだと述べています。その際に、関連する本やありとあらゆる情報をかき集め、構想を練ることが大事だと言っています。具体的な方法としては、具体例をできるだけ入れる、準備の段階で誰が聞き手なのか想像し、相手が喜ぶ話をする、実際に使える以上に多くの情報や素材を収集し、内容を洗練していくなどです。そして、その後は、言葉に出して練習をすることが大事だと言っています。口述した内容をテープに取り、聞くことで、スピーチを洗練させるのに非常に良い効果を生むということです。そうすることによって記憶に定着することにもなります。ただし、注意点として、丸暗記はしないようにとも言っています。準備を周到にしようとする人は、結構な割合で、一言一句暗記しようとする傾向があるのですが、そうすると自分の思いや信念が言葉に伝わらないからです。以上のような準備の重要性を、有名演説家を具体例として解説しています。

準備は誰もが行っている!?

この準備の具体的な方法論や考え方は、割と多くの人が共通して実践しています。本書が古くから親しまれ読まれ続けているからなのか、あるいは、その考え方や方法論が、人間の脳の構造や手法として馴染みやすいからなのかは分かりませんが、私の知っている人も多くの人が実践をしています。例えば、以前私が勤めていた戦略系コンサルティング会社の上司は、講演などの際は、常に自分の話す内容を紙に書いて練習していました。別の上司は、実際に口述して、練習をすると言っていました。もちろん、コンサルタントですから、話の構成や内容は完璧ですが、その上で紙に書いたり口述をしていたのです。どちらもスピーチが非常に上手な方々です。また、私は昔から、落語や漫才が大好きでよく聞いていますが、著名な漫才師も次のように言っています。「まずは、自分たちがどんな漫才をやりたいか構想を固める。そして、それを四六時中考え、ネタを作り続ける。と同時に、今売れている他の人たちの漫才を書き起こす。そして、どこにどんな間があるか、テンポはどうかなど分析をし、自分たちの漫才がどこで差別化できるかを考える。その型ができたら、とにかく練習し、細かい修正を行っていく。「間」一つで、笑ってもらえるかどうか変わってくるから、ほんの0.5秒の細かい「間」でも修正する。そして、ある程度できるようになったら、しばらくそのネタを行わない。理由は、やりすぎると一言一句覚えてしまって、新鮮味がなくなるから。そして、本番一週間前ぐらいから再度そのネタを行う。そうすることによって、大舞台の大一番で、感情と気迫と思いが込もった漫才ができる」と。

この方も本書の内容と同様のことを言っているのですが、話をする仕事ということでは、このような考えは万国共通なのかもしれません。

緊張しないためには準備をしよう!?

以上、今回は、本書の中でも準備の部分に焦点を絞って見てきました。私自身も講演や研修講師などで、緊張をしない最大の方法は、準備をしっかり行うことだと思っています。準備不足の時は、非常に緊張しますし、しっかり準備ができている時は、早く話をしたいと思うことが多いのです。そして、落語を習った経験から、その中でも特に、口述をし、録音して自分で聴くことの重要性を肌で感じています。是非、皆さんも実践してみてはいかがでしょうか。

次回は、準備ができた後、実際のスピーチを行う時の注意点や秘訣などについてお伝えしていきたいと思います。