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管理職・経営者におススメする今週の1冊 「マンガで身につく 大人の語彙力」

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管理職・経営者におススメする今週の1冊は、「マンガで身につく 大人の語彙力」です。

今回ご紹介するのは、テレビにもよく出演されている齋藤孝氏の著書の漫画版です。皆さんも齋藤孝氏はよくご存知ではないでしょうか。現在は明治大学文学部の教授で、ベストセラー著書も多数出版されています。専門は教育学やコミュニケーション論なので、子供向けから大人向けまで幅広く著書を出されています。弊社も子供向けの習い事教室を経営しているので、齋藤先生の本はたくさん置いています。

ところで、皆さんは、コミュニケーションや表現などで悩んだことはないでしょうか。私は20代の会社員時代、営業職をしていたので、非常に悩んだ経験があります。当時、私は自分の甲高い声と滑舌の悪さが非常にコンプレックスで、それを成績低迷の原因にしていました。その時に、上司から言われた次の言葉が今でも忘れられません。「声の質も話の質を高めることで全て克服できるから、勉強や読書をたくさんして、教養を高め、話の引き出しや語彙力を増やしなさい」と。

それからさまざまな本を読むようになり、資格を取ったりしました。今こうやって、満足に仕事ができているのも、その時の上司の言葉のおかげです。

本書は、製菓メーカに勤める主人公の朝生小波が総務部から新設のWEBマーケティング部に異動になり、その結果、コミュニケーションが上手くいかず、仕事についていけないというところから始まります。そして、同じ部署に異動してきた青海夜子に語彙力を増やせば見える世界も変わることを教えられます。その後、語彙力を鍛えるため、語彙力トレーニングを毎日の習慣とするように努力します。トレーニングは、まず、読書をする習慣を身につけます。そして、読んでインプットした語彙力をすぐにアウトプットし、さらに言葉の由来を知るように努めます。その結果、語彙力が上がり、仕事もスムーズにいくようになった小波は、上司の東雲五郎や、コンサルタントとしてサポートに入っている水崎大輝にも影響を及ぼすようになります。語彙力が少なくて悩んでいる東雲には、テレビやインターネットなど普段目にしやすいものからも語彙を増やせることをアドバイスします。カタカナ語が多くて同僚とコミュニケーションが上手くいってない帰国子女の水崎には、カタカナ語を日本語に置き換えることを勧めます。結果、水崎は日本語の奥深さを実感します。

本書では、いくつかのポイントが挙げられていますが、私の経験とともに語彙力や教養を高める重要性をお伝えします。

発する語彙や話の内容で自分自身の価値を高められる

冒頭でもお話しましたが、語彙力や話の内容は、説得力を高めたり、自分自身の外部からの評価を高めてくれます。当然、見た目や声の質、声の大きさ、抑揚なども影響はしますが、相手が能力の高い人間であればあるほど、中身がないことはすぐに見破られます。話の質が大変重要になるのです。日本では、大学やその前の高校などであまり一般教養を重要視しませんが、欧米の大学や高校は、一般教養に関する教育を非常に重要と考えます。これは、歴史や文化、芸術などの教養が高い人の方が信頼できるし、一緒に話をしていて楽しいからです。信頼関係を築いたり、仲良く打ち解けたりするのに、一般教養は欠かせないのです。特にアメリカのように異文化の人間が多い国では、暗黙のルールというのは通じません。コミュニケーションを取るためには、言葉を発する必要があり、お互いが共有できる話題が必要です。どのような国でも、文化や歴史、芸術などは必ずあります。それらをお互いに教えあったり、共感したりすることで関係性が深くなります。そのためには、語彙力に加え、幅広い教養が必要なのです。

読書は必ず結果を出す

教養を広めたり深めるためにはどうしたら良いでしょうか。さまざまな場所へ旅行をして感じたり、美術館や博物館へ足を運んだり、映画を観たりと、さまざまありますが、手っ取り早いのは、読書量を増やすとともに、質を高めることです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がありますが、さまざまな人の経験や歴史から物事を学ぶことができるのが読書です。そして、読書をすればするほど語彙量が増え、分からない語彙を調べることによって、自分のものになります。ある本に書いてありましたが、読書量と収入はある程度比例するとのことです。出所が分からなかったので根拠は不明ですが、私の個人的感覚は当たっている気がします。事業再生コンサルティングをしていても、読書を全くしない経営者は、必ずといっていいほど、再建できません。反対に、本をよく読んでいるという経営者は、業績が少し落ち込んでもすぐに回復するケースが多いです。

 日常生活から情報収集し、アウトプットする

アウトプットをすることは非常に重要です。インプットした語彙や情報をアウトプットするには自分の解釈が必要です。そして、相手に伝わりやすくするためには、頭の中で、話を体系的に整理する必要があります。この過程を踏まえるため、思考が整理され、関連情報などを今度インプットする時にそのスピードが上がります。そして、体系的に整理をしているので自分のものになっています。また、言葉に発することで記憶にも定着します。従って、普段の何気ない生活の中でもインプットした情報を友人や同僚などとの会話の中で常にアウトプットする癖をつけておくと、語彙力や情報力が高まります。今すぐにでもできることですが、習慣化してくると自分自身の語彙力が上がってきたことを実感できると思います。

このように、語彙力や情報力、教養などを高めていくことはビジネスの成果に大きく影響します。私自身も、毎月一〇冊程度の本を読んだり、インターネットで情報をとったりしていますが、インプットを増やすこととアウトプットによって定着させることを非常に重要視して、生活しています。本書を一読することもお勧めしますが、それ以上に、内容を実践し、実際に語彙力や教養を高めていってはいかがでしょうか。