経営改善・事業再生ノウハウ集

ABLで融資を受ける場合、売掛金や在庫の担保価値はどのようにみればいいのでしょうか?

2014年9月17日

こんにちは。渡邊です。

最近、個別に相談される方が増えてきました。

年末に向けてというのもあるのでしょうが、少しずつ金融機関が不良債権の処理を進めているのでは?というような気がしないわけでもありません。

さて、本日はABLについてお伝えします。

ABL(債権・動産担保融資)という資金調達手法があります。

これは、企業が持っている売掛金や在庫、機械設備を担保に銀行が融資をするものです。

銀行は、売掛金や在庫・機械設備の担保価値をどのように見るのでしょうか?

不動産担保と関連付けて考えてみたいと思います。

不動産担保の評価の場合には、銀行は「評価額」と「処分可能見込額」という二つの見方を使っています。

評価額とは、文字通り、不動産担保を評価した金額です。

不動産鑑定評価書の取得や収益還元による銀行内評価、路線価や固定資産税評価額などさまざまなものがありますが一般的にはなじみのある評価手法です。

これらは、不動産の評価額なのですが、銀行は多くの場合、そこから処分可能見込額というものを算出して、担保を評価しています。

「処分可能見込額」とはどのようなものでしょうか?

実際に処分した時にどの程度で売却できるかという価額です。

通常は、「評価額」より安く算出しています。

これは過去の売却事例等から「評価額」からどの程度安く処分されているかを統計的に考慮して、「処分可能見込額」としているのです。

似たような物件で過去に売却実績等が少ない場合は、評価額の70%を処分可能見込額としています。

一方で、ABL(債権・動産担保融資)の場合はどうでしょうか?

売掛金や在庫、機械設備の場合は、その評価自体も難しい場合があります。

まず、売掛金の場合は、相手先の信用状況等が担保価値に影響を及ぼします。

これを銀行はどのように評価するのでしょうか?

売掛金等の場合、優良売掛先であれば、評価減をする必要はあまりないでしょうが、信用面で不透明または優良ではない売掛先は、外部の機関に評価を依頼する場合もあります。

例えば、東京都の制度融資である「東京都動産・債権担保融資制度」の場合は、帝国データバンクが担保価値の評価をすることになっています。

在庫や機械設備も同様です。機械設備等であれば、提携しているリース会社等が、在庫であれば、特定非営利活動法人日本動産鑑定という機関が評価を行います。
評価額は、上記のように評価しますが、「処分可能見込額」はどのように見るのでしょうか?
近年、金融庁は銀行等金融機関に対して、このABLを積極的に行うよう銀行に推進しています。
ただ、増えてきたとはいえ、不動産担保と比較すると、件数、金額とも少ないのが現状です。
不動産の場合は、過去の売却事例等から「評価額」からどの程度安く処分されているかを統計的に考慮して、「処分可能見込額」としているということでした。
事例等が少ないため、過去の実績から推計するという手法は難しいのが現状ではないかと思われます。
そのため、そのような場合には、金融庁は、以下の掛け目を使って、処分可能見込額とするよう銀行に伝えています。
・売掛金担保 評価額の80%
・在庫担保  評価額の70%
・機械担保  評価額の70%
不動産と同じように、「評価額」から一定の掛け目をいれて、担保価値としているのです。
是非、ABLを将来検討している方は、自社の売掛金や在庫、機械設備が銀行の視点でどの程度の担保価値があるのか、大まかに知っておくことをお勧めします。

ページの先頭へ戻る