経営改善・事業再生ノウハウ集

資金調達時に、経営者保証を提供する場合の注意点は?

2013年12月19日

先日に引き続き、「経営者保証に関するガイドライン」についてお伝えします。
先日の内容は、こちらからご参考ください。

先日、このガイドラインは、主に以下の内容で構成されていますとお伝えしましたが、再度項目を挙げてみます。
(分かりやすいように、文言・内容はかなり変えています)

1.経営者保証を提供しないで資金調達をするにはどうしたらいいか?
2.資金調達時に、経営者保証を提供する場合の注意点は?
3.経営者保証の見直し(変更・解除)をするにはどうしたらいいか?
4.民事再生等、企業再生時に、経営者保証の整理を行うにはどうしたらいいか?

本日は、
2.資金調達時に、経営者保証を提供する場合の注意点は?
の部分をお伝えします。

本日の内容は、主に銀行が注意するべき内容になっています。裏を返せば、そのような内容を知っていれば、銀行との交渉に役立つということです。

銀行は、貸出先の中小企業に対し、経営者の個人保証を求めることが止むを得ない場合には、こうすべきだと書かれています。

それでは、個人保証を求めることが止むを得ないとは、どのような場合でしょうか?
前回お伝えしましたが、主に、以下のような場合が該当します。

(1)役員報酬・賞与の金額や会社から経営者への貸付金の金額が過大、または個人として消費した飲食代等を法人の経費処理としているなど、会社と個人が明確に分離されていない。取締役会や会計参与、外部監査体制などによるチェックが不十分である。

(2)会社の資産・収益力で、借入返済ができないため、経営者の個人資産を考えざるを得ない。当該経営者からの十分な物的担保の提供もない。

(3)事業計画や業績見通し、試算表、資金繰り表などを定期的に、かつ正確に報告していない。

そのような場合には、銀行は個人保証を求めることが止むを得ないとしています。

そして、経営者保証契約締結時に、銀行は、以下の対応に務め、十分な説明を行うよう、本ガイドラインでは規定されています。

(1)原則として、保証人(経営者)への履行請求は、一律に保証金額全額に対してではなく、資産状況を考慮したうえで、その範囲を定めること
また、保証債務の履行請求額は、その時点における基準日の資産の範囲内とし、基準日以降に発生する保証人の収入を含まないよう契約に規定すること
さらに、保証人が保証履行時に資産の状況を表明保証し、その適正性について、弁護士や公認会計士、税理士等の確認を受けた場合は、その状況に相違がない限り、保証人の資産の範囲内とすることを契約に規定すること

(2)経営者保証の必要性が解消された場合には、変更・解除等の見直しの可能性があること

(3)形式的に保証金額を融資額と同額とせず、その資産・収入・担保設定状況・情報開示姿勢等を総合的に勘案すること

上記(2)、(3)については、次回以降詳しくお伝えしたいと思います。

(1)については、誤解を恐れずに、また、もっと平たく言えば、銀行は、経営者の個人保証を取る場合には、融資金額全額ではなく、経営者の資産の範囲内にしましょう!と言っています。

さらには、その融資・保証契約時に、それを十分に説明し、経営者が資産を隠そうとしない限り、倒産など、いざという時も、経営者の資産の範囲内で保証義務が済む契約を結びましょう!という内容になっています。

今後、スピード感を持って、このガイドラインが浸透することを願いたいものです。

次回は、保証の変更・解除についてお伝えします。

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