経営改善・事業再生ノウハウ集

経営改善計画が達成できない場合はどうなるのでしょうか?

2014年8月27日

先日、こんな相談がありました。

リスケジュールをした後に、経営改善計画を実行したが、計画どおり達成できなかった場合はどうなるのでしょうか?

銀行は取引を中止して、回収を行うようになるのでしょうか?

しっかりと今後の対策を検討し、銀行と話し合いを行えばそんなことはありません。

銀行は、正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先というように、取引先企業をランク付けしています。

専門用語で「債務者区分」と言います。

この債務者区分が、要管理先以下になると、原則、貸出を行いにくくなるのですが、返済条件を変更しても経営改善計画が一定の要件をクリアしていれば、銀行は要注意先と判断することができるのです。

また、経営改善計画が達成できない場合、杓子定規に要管理先以下にランクダウンさせるのではなく、今後の経営改善が見込めるかどうか判断するようにと、金融庁は「金融検査マニュアル(中小企業融資編)」というもので銀行に伝えています。

そこに具体的な事例として以下のようなものが挙げられています。
(分かりやすいように内容を大幅に短縮・加工しています。)
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飲食店を営むA社は、3年間の元本返済猶予を受け、X銀行に経営改善計画を提出した。計画1期目が終了し、その進捗状況は、売上が半分、利益も赤字となった。

A社は債務超過でもあり、通常このような場合、「破綻懸念先」に相当する場合が多いと考えられるが、X銀行は「要注意先」と判断している。

その理由は、売上の未達成原因を分析し、懸命なPR活動と営業に力を入れた結果、次の期には計画比で7割程度まで回復していること、

そして、利益も回復しつつあり、来年度からは返済を再開できる見込みが出てきているからである。

本事例のように、当初の経営改善計画が未達成であっても、「破綻懸念先」ではなく、「要注意先」に相当する可能性が高いと判断して差し支えない
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と解説されています。

いかがでしょうか?

銀行とは上手に付き合っていかなくてはなりません。

企業にとって資金は潤滑油のようなものです。

黒字企業でも資金が枯渇すれば倒産します。赤字でも資金繰りさえつけば、倒産することはないのです。

だからこそ、リスケジュールや銀行からの金融支援が必要になってくるのです。

銀行に支援を受けたら、定期的に進捗状況を報告する必要があります。

進捗状況をしっかりと報告し、真摯に向き合っていれば、銀行が強制回収に動くこともまずありませんし、将来的には新規の融資を受けられる可能性も高くなってくるのです。

それでは、どのくらいの期間ごとに報告するべきでしょうか?

毎月一度、試算表等を提出して報告することが望ましいのですが、それは経営者にとっても負担がかかります。

しかも、提出している経営改善計画書の進捗状況を銀行は気にしますので、事業活動に支障がでない程度での報告が望ましいと言えます。

目安は3ヶ月、もしくは4ヶ月に一度程度でしょう。

そこで報告すべき内容は、業績はもちろんのこと、前述のように経営改善計画の進捗状況についても報告を行っていくべきであると言えます。

経営改善計画には、具体的な経営改善施策を、可能な限り経営改善計画書に織り込むことが非常に重要です。

具体的な経営改善策について、例えば、
・営業担当者の目標管理制度を徹底して行う
・遊休資産等は売却して借入金返済に充当する
・今まで行っていなかった仕入先の相見積もりなどを実施する
・繁忙期の外注を出来る限り社内対応できるよう、生産プロセスを見直す

など、またはこれをさらに「5W1H」にブレークダウンして、計画を作成するべきことが重要です。

損益計画は、この経営改善策に基づいて、数値を立てるべきであり、当然この施策についても、進捗状況を報告するべきなのです。

施策一つ一つについて、実行できたのか、できてないのか、実行できなかったのは何故か、代替の施策はあるのか、ないのか、今後はどのような施策を実行していくのか、などを報告していくのです。

いわゆる経営のPDCA(計画→実行→チェック→修正施策)サイクルを企業として行っています!ということを示すことが重要なのです。

当然、経営を行う中で、PDCAサイクルをまわすというのは重要なことですが、なぜ、銀行にそこまで報告する必要があるのでしょうか?

今回お伝えした事例のように、経営改善計画の達成状況のみではなく、計画どおり進んでいない原因を分析し、今後の収支見込み等が現実的なものかをみて、債務者区分を判断するようにと、金融庁が銀行に伝えているからです。

ここで重要なことは、進捗状況を報告し、未達成原因や今後の計画の修正などをしっかりと開示していく必要があるのです。

また、これは経営の基本でもあると言えます。PDCAサイクルをまわしていくことによって、強い企業体に変革していくこともできるのです。

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