経営改善・事業再生ノウハウ集

借地上の建物を担保に出したらどうなる?

2014年7月18日

先日、銀行に対しリスケジュールを申し込んだ経営者の方から、こんな相談がありました。

相談内容:
リスケをしているA銀行の担当者が、自宅を担保に入れて欲しいと言ってきたそうです。

そこでその経営者の方はこう答えたとのことでした。

「私の自宅は、借地上に建てた自宅ですので、建物しか価値はありません。しかも、木造で築20年経過しているので、価値はほとんどないと思いますよ!」

すると、その銀行担当者から
「価値があまりないのは分かります。ただ、リスケの稟議を申請するために、形式上でもいいので、担保に入れて頂きたいのです。いざとなった時に売れないのは当行も承知しています!」

と言われたそうです。

どう思われますか?

ポイントは二つあります。

まず、本当に、いざという時に売れないのか?ということです。

結論から言うと、買いたい人がいるかどうかは場合によりますが、売ろうとすることはできます。

つまり、抵当権者であるA銀行が売ろうとすることは可能なのです。

原則、売却するときは地主の承諾が必要ですが、地主に不利となるおそれがないにもかかわらず、承諾しない場合には、裁判所が許可を与えることもできるのです。

または、抵当権者であるA銀行は競売にかけることができます。競売で買い受けた人は、裁判所に借地権の許可を申し立てることができるのです。

さらに、地主から建物譲渡の承諾を受けられないときは、建物の買取請求をする権利もあるのです。

そうなのです。原則、借地借家法は地主よりも賃借人に有利になるようにできているんですよね。

ですから、全く売れないわけではないのです。この経営者の方の場合は、自宅を手放す可能性も出てくるので、銀行担当者の「売れないのは分かっているが、形式上だけでも担保に入れて欲しい・・・」という言葉を鵜呑みにすると大変なことになります。

二つ目は、リスケジュールを申し込むときは、取引銀行すべて同時に申し込むのが原則です。金融機関は、債権者平等を主張します。

このような場合に、ある一つの銀行だけに担保を新たに提供するというのは、債権者平等に反しますし、後々、返済計画を合意するときに銀行同士で揉めてしまう可能性があります。

以上の二つの側面からみても、何とか担保提供だけはしないということで合意を図るべきですよね。

事業再生の局面では、細かい点を注意しながら、銀行と円滑に取引をしていかないといけません。。

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