経営改善・事業再生ノウハウ集

借入金負担を減らすにはどんな方法があるのか?資本的劣後ローンとは?

2013年10月13日

経営改善を行いつつ、借入金負担を減らす方法にはどんな方法が考えられるでしょうか?

具体的な手法としては、主に以下のようなものがあります。
・リスケジュール
・DDS(Debt Debt Swap)
・DES(Debt Equity Swap)
・銀行による債権放棄
・銀行による貸出をサービサーへ売却後、サービサーから債務免除を受ける

「リスケジュール」とは、言葉のとおり、返済スケジュールを変更するというものです。
返済をストップしたり、返済額を減額したりする方法です。

これについては、ポイントを何回かお伝えしてきましたので、今回は省略します。
(詳しくは、http://goo.gl/STlAVB をご参照下さい)

それでは、上記残りの方法について、今後何回かにわたって見ていきたいと思います。

今回は、「DDS(資本的劣後ローンへの転換)」についてです。

DDSとは「Debt Debt Swap」の略で、既存の借入金を「資本的劣後ローン」に転換することにより、返済負担・金利負担軽減が可能になるというものです。

例えば、年商3億円の企業があるとします。当期利益は300万円で、減価償却費が300万円、借入金残高が3億円だとします。また、債務超過が2億3千万円とします。

運転資金や設備等等の増減を考慮せず、単純に考えると、年間の返済可能額は経常利益+減価償却費の600万円となります。

これを全て返済に充当しても債務償還に50年かかります。

また、3億円を金利3%で借りているとすると現状で、年間900万円の利息を支払っています。つまり、経常利益以上の利息を払っていることになりますね。

さらに、債務超過解消も相当な年数がかかってしまいます。

当期利益はなんとか捻出できているものの、借入金が多過ぎて、これでは銀行からの新規資金調達もままならない状態ですよね。

通常の借入金の返済期間は、5年や7年程度のものが多く、長くても10年返済です。従って、この企業の場合は、当初の返済条件を実行できず、すでに返済額を減らしているのは明らかです。

このようなケースで、銀行が「DDS」による支援を行うとどのようになるでしょうか?

仮に、銀行が既存の貸出3億円のうち、2億円を資本的劣後ローンに転換したとします。現在、事業再生時にこのような支援を行う場合、
・資本的劣後ローン部分は契約上設定した期間(通常5年~15年)、返済を行わない
・当該部分は金利1%程度
というのが一般的です。

仮に資本的劣後ローンを15年間返済なし、金利1%とすると、会社側のメリットは、
・2億円(資本的劣後ローン)は15年間返済しなくてよい
・2億円部分の金利が3%→1%に下がるので、支払利息が2億円×2%=400万円減少する
・結果、当期利益を700万円捻出できるようになる
・2億円部分を銀行取引上自己資本とみなすことができる
となります。

となると、債務超過額は、2億3千万円—2億円=3千万円となり、当期利益700万円となれば5年で解消することができます。

また、資本的劣後ローンは当面返済を行わないので、3億円(借入残高)—2億円(資本的劣後ローン)=1億円を1千万円(当期利益+減価償却費)で返済していくとなると10年で終わります。

結果、この企業は銀行取引における格付け・債務者区分が上がり、以前よりも円滑な取引が可能になります。専門的な用語で言うと、「合理的で実現可能性の高い経営再建計画」に該当する計画を提出している企業となります。

場合によっては、新規の貸出を行うことも可能になってきます。

しかし、銀行にとってはもう一つのマイナス側面があることも見逃してはいけません。

それについては、次回以降でお話ししたいと思います。

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