経営改善・事業再生ノウハウ集

個別銀行毎の返済額はどうするのか?

2013年9月30日

全体の返済計画については前回述べましたが、個別銀行毎の返済額はどのように計画を立てるべきでしょうか?

銀行からすると、なるべく返済額を多くしてもらいたいのがそれぞれの思惑だと思います。

銀行毎に保証協会や不動産で担保できている金額がそれぞれ違います。

担保できている部分は「保全部分」、担保でカバーされていない部分を「非保全部分」といいます。

当社の支援先でも、会社が返済計画を銀行に提示した時に以下のようなケースが度々あります。
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社長:「以下のように残高プロラタ返済(※)で、返済をさせて頂きたいと思っています。」
※残高プロラタとは、総借入残高のうちの
個別銀行の借入残高の割合に応じて返済原資を
按分して返済するものであり、担保部分は考慮されない。
(以下参照)
<会社側提示:残高プロラタ返済のケース>
    総借入残高 各銀行割合 返済額
A銀行  1.2億円  60%   6百万円
B銀行  8千万円 40% 4百万円
合計   2億円 100% 1千万円

B銀行:「社長、それでは困ります。当B銀行は、保証協会付き並びに不動産担保が少ないので、非保全プロラタ(※)で返済して頂かないと不公平です。」
※非保全プロラタとは、個別銀行の保証協会付き借入・
担保設定金額を総借入残高から差し引き、非保全残高
の割合に応じて返済原資を按分して返済するものである。
 (以下参照)
<B銀行主張:非保全プロラタのケース>
    総借入残高 保証協会/  各銀行割合  返済額
不動産担保 (非保全部分)
A銀行  1.2億円  8千万円   40% 4百万円
B銀行  8千万円  2千万円   60% 6百万円
合計   2億円   1億円   100% 1千万円

社長:「でもメインのA銀行からは、残高プロラタ返済で返済をするのが原則ですと言われていますので・・・。」
B銀行:「A銀行さんは多額の担保を設定されています。ですので、当B銀行より将来の回収リスクは低いのですよ。そのうえ、A銀行さんの方が毎年多くの返済を受けるのは、明らかに不公平です!!」

社長:「では、どうしたらいいのでしょう?A銀行さんも残高プロラタ以外受け付けないと言っていますが・・・・」
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それでは、残高プロラタと非保全プロラタのどちらで返済するべきでしょうか?

一般的には、「残高プロラタ」ということになります。

どちらにも言い分はあります。

A銀行の立場からいうと、保証協会にも返済をしないといけないし、不動産担保は売却するか、倒産しない限りは回収できませんよね。遊休不動産であれば、売却想定金額を除外するという考え方はありますが、事業に使用している不動産は売却することができません。
事業を継続させるために条件変更に応じているのですから、残高プロラタが当然であると。

B銀行の立場からいうと、最終的には不動産等を売却すれば回収できるのだから、非保全プロラタじゃないと不公平である。従って、非保全が当然であると。

このような議論を繰り返していても、どちらにも相応の理論構成があるので、解決策は見えてきません。

現状は、例えば中小企業再生支援協議会の案件でも、企業継続を前提とするならば、「残高プロラタ」が一般的ですし、当社が支援をしたケースでもほぼすべてそうです。

そのような話をすることで、大抵は合意に至っています。

粘り強く交渉をすることが大事ですね。

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