経営改善・事業再生ノウハウ集

事業再生時における経営者の連帯保証の整理はどのように行うのか?

2013年12月26日

本日は、「経営者保証に関するガイドライン」について、四回目(最終回)になります。
先日までの内容は、こちらからご参考ください。

先日、このガイドラインは、主に以下の内容で構成されています、とお伝えしましたが、念のため再度項目を列挙します。
(分かりやすいように、文言をかなり変えています)

1.経営者保証を提供しないで資金調達をするにはどうしたらいいか?
2.資金調達時に、経営者保証を提供する場合の注意点は?
3.経営者保証の見直し(変更・解除)をするにはどうしたらいいか?
4.民事再生等、企業再生時に、経営者保証の整理を行うにはどうしたらいいか?

本日は、
「4.民事再生等、企業再生時に、経営者保証の整理を行うにはどうしたらいいか?」
についてお伝えします。

このガイドラインでは、事業(企業)再生時における連帯保証の整理についても言及しています。

民事再生のような法的整理だけではなく、企業が中小企業再生支援協議会や事業再生ADRのような私的整理手続きの場合も同様です。

経営者等の保証人は、上記のような企業再生を行う場合に、保証債務の整理も債権者(銀行)に申し出ることが出来ると言っているのです。

その場合、債権者は、会社の破産と保証人である経営者が両方とも破産手続を行った場合より、多くの回収が見込める場合には、保証債務を整理するよう誠実に対応することが求められています。

そして、保証人が自身の財産に関する情報を誠実に開示し、その内容に嘘がないと表明保証を行う場合には一定の財産を残すよう規定されています。

これは、その後の経営者の安定した事業継続や事業を清算した後の新たな事業の開始などがスムーズに行われるよう配慮されたものとなっています。

一定期間の生計費や華美ではない自宅などを残すことによって、再チャレンジを促そうという趣旨です。

また、事業に使っていて、経営者が個人で所有している土地建物などは、会社に譲渡することにより、保証債務から除外することも規定されています。

一定期間の生活費や住むために必要不可欠な自宅以外のものは、処分して返済することによって、残りの保証債務を免除してもらうよう債権者(銀行)に依頼することができるのです。そして、債権者もその依頼に対し、真摯かつ柔軟に、誠実に対応するよう定められています。

ただし、債権者は、経営者が表明した後に、財産が事実と異なっていた、つまり経営者が財産を隠していた場合などには、追加弁済の義務が生じる契約に出来るということになっています。

つまり、経営者が誠実に財産状況を開示し、それ以上、返済出来ないようなら、債権者も誠実に対応し、生活などに必要不可欠な財産を残すように配慮しましょう!と言っているのです。

上記の華美ではない自宅は想像が付きやすいと思いますが、それでは、一定期間の生活費とはどのくらいでしょうか?

1月あたりの「標準的な世帯の必要生計費」33万円を参考にして、これの3ヶ月~11ヶ月程度が想定されています。

場合によっては、300万円以上の現金・預金を残すことも想定されるということです。

また、その他に、自宅を借りている場合、その敷金や保証金、自家用車なども残す資産の対象に挙げられています。

ここでは、書ききれませんが、もちろん、保証債務を免除してもらう場合には、その他要件がいくつかあります。

しかし、一昔前と比べると非常に大きな進歩だと思います。

中小企業は、8割以上が経営者の個人保証を提供しています。

起業する方も、銀行から借入を行う場合は、ほぼ100%経営者の連帯保証が必要なのが今の日本の取引慣行です。

しかし、事業に失敗した場合、個人の財産もほぼすべて失うのが今まででした。

それが、このようなガイドラインがでて、取引慣行として世間に浸透してくれば、非常にチャレンジしやすい世の中になると思います。

是非、浸透することを願いたいですね!

本日まで4回にわたって「経営者保証に関するガイドライン」についてお伝えしてきましたが、経営者、専門家の皆様は是非、一度内容を知っておいて頂きたいと思います。
内容はこちら↓で確認できます。
http://www.zenginkyo.or.jp/news/entryitems/news251205_1.pdf

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