経営改善・事業再生ノウハウ集

中小企業再生支援協議会とは?

2014年4月4日

銀行から「中小企業再生支援協議会に一緒に行ってください!」と言われたことのある経営者の方もいらっしゃるかと思いますが、

中小企業再生支援協議会とはどのような組織でしょうか?

以下、中小企業庁のHPの内容を引用します。
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中小企業再生の相談に対して、中小企業再生支援協議会の常駐専門家が適切な対応策を提示し、必要に応じ関係支援機関を紹介します(第一次対応)。
また、相談案件のうち、再生のためには財務や事業の抜本的な見直しが必要な企業について、常駐専門家が個別企業の取組に対する助言を行い、必要に応じて、中小企業診断士、公認会計士、税理士、弁護士等の専門家に依頼して、共同で再生計画の作成支援を実施します (第二次対応)。
再生計画策定支援にあたっては、関係機関と連携を図りながら、公正中立な立場で関係者間の調整を行い、事業面や財務面での改善を図るため、個々の企業の特性にあった、きめ細かな支援を行います。
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かくいう私も、中小企業診断士として、上記専門家として再生計画の策定支援を行っています。昨年度は3件ほど関与しました。

ただし、注意して頂きたいのは、銀行から勧められても「行かなければならない」わけではありません。

中小企業再生支援協議会を活用するかどうかは、あくまでも会社側が判断することです。

「中小企業再生支援協議会は、銀行との調整を図ってくれる!」ということですが、再生支援協議会は銀行に対して強制力があるものではありません。

あくまでも公立中正な立場で、銀行と、あるいは銀行間の調整を図るのです。

ですから、すべての案件においてうまくまとまるわけではありません。

また、債権放棄や資本的劣後ローンの導入など、抜本的な金融支援策を必ず行ってくれるわけではありません。

そこで、中小企業再生支援協議会を活用するメリット・デメリットを会社側、債権者である銀行側からみてみたいと思います。

まず、会社側のメリット・デメリットとしては、
1.経営改善・事業再生計画を策定する費用を一部負担してもらえる(とは言っても一定の費用がかかる)
2.再生計画策定において事業面の助言をもらえる
3.しっかりとした再生計画を策定してもらえる
4.銀行間との調整を図ってもらえる
5.債務免除益などに対して、一部税制上のメリットを享受できる
6.公立中正な立場で実態を分析するため、会社の実態がほぼすべて丸裸にされる
7.強制力はないので、銀行間の調整がうまくいかない場合もある
8.すべての会社に対して抜本的な金融支援(債権放棄・DES・DDS等)が行われるわけではない

などが挙げられます。

銀行側のメリット・デメリットとしては、
1.しっかりとした再生計画の策定が行われる
2.公的機関のお墨付きの計画なので稟議申請を行いやすい
3.抜本的な金融支援を要求される場合もある(ただし、応じるかどうかは個々の銀行の判断)
4.予測していたよりも重大な問題が露呈し、場合によっては多額の貸倒引当金の計上が必要になる
5.債権放棄などをした場合に無税償却できる可能性が高くなる

などが挙げられるでしょう。

会社側として問題なのは、上記6だと私は個人的に思っています。

中小企業の決算書は時価会計を行っているわけではないので、実態と乖離している場合が多いのが特徴です。

もちろん、銀行も自己査定で実態のバランスシートを精査していますが、あくまでもそれは、ヒアリングや過去の決算書から予測できるレベルのものです。

再生支援協議会の再生計画策定も簡易版と通常の二次対応(再生計画策定)がありますが、後者であれば、公認会計士が関与し、厳密にバランスシートの精査が行われます。

これは、通常、銀行内で行っている自己査定よりもはるかに厳密です。

個人的な意見ですが、実態バランスシートをどこまで厳密にみるかは、当該企業の規模や収益状況等を勘案するべきだと思っています。

会社側にとっては、厳密な実態バランスシートの精査が銀行取引をさらに厳しいものにしたり、一方で、銀行側からすると貸倒引当金の積み増しが発生し、銀行の収益に影響します。

反対に、銀行が、貸倒引当金を積み増し、一年後、二年後の抜本的金融支援(債権放棄、DES・DDS等)に備えるという目的のためであれば、会社にとってもプラスだと思います。

しかし、現状の情勢を見る限りでは、そういう考えのもとに再生支援協議会に持ち込まれている案件はごくわずかと思われます。
(実際に、金融円滑化法が施行されてからは、抜本的な金融支援を行った案件はかなり減少しています)

難しいところですが、銀行の意図をどこまで読んで、再生支援協議会に行くかどうかを決定するかが大事だと言えるでしょう。

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